自由な世界への旅 パソコンとの出会いとLinux遍歴 

オープンソースソフトの代表で、ベースとなるOSのLinuxとどのように出会ったのか。私のシャープX1cに始まるパソコンとソフトウエアとのつきあいかたを思い出し綴ってみた。今改めて列挙するとLinuxの歴史もそれなりにつもったなと思った。今では自分の環境ではなくてはならない。なお、対して調べもせずに曖昧な記憶に頼った記述なので不正確な部分も多いと思う。間違いがあればあればご指摘いただければうれしいです。

パソコンとの邂逅

私は、シャープのX1cがパソコンデビューだった。OSをROMで持たないという自由な思想のもちぬしだった。テープという今ではほとんど目にしない媒体を使ってデータを保存しゆっくりプログラムを起動した。X1dや他者のパソコンHitBitなどについているフロッピディスクが憧れの時代だった。(いまやフロッピーもなくなった)

この、X1cのフリー精神は様々なOSやプログラムへの興味も育まれた。当時、ソフトバンクから出ていたOhシリーズの雑誌が愛読書だった。OhMZだったものがXシリーズに代わりOhXとなったものだった。ここではハンドアセンブラをやってみたり、DOSならぬテープでのOSという意味でTOSなどというプログラムも紹介していた。CPMというDOSがあこがれだったが、TOSでも簡単なProlog,Lispなどの経験もできた。まっこと地道な入力の日々だった。

その後、パソコンに手を染めると勉強に手がつかない。こんなにのめり込んではいけないと反省し、パソコンをお蔵入りにして冬の時代を迎える。しばらくパソコンとかかわらない年月が続いた。雪解けとなったのは就職し仕事に使うため初めてMacBookを手にした頃からである。理性に抗いながらも再びパソコンに傾倒していった。

Linuxとの出会い

多数派のWindowsに対してAppleの精神が好きだった。Macのパソコンを使って楽しんでいたが、Appleの方針転換でOSXになり過去の資産を使えなくなったこと、またCPUさえもモトローラからインテルに換えるという方針転換で大きな失望感を得た。これは革新的な企業の決断だったが、大事に使ってきた古いものが切り捨てられるということに嫌気がさした。そこで登場したのがLinuxという選択肢であった。Linuxはオープンソースというみんなで寄ってたかっていいものを作ろうという方式で作られたOSである。コマンドラインが主体でWYSIWYGや日本語化もまだまだだったが、斬新なウィンドウマネージャが通な感じを醸し出していた。オープンソース故にデータの保存は共通しており、OS独自の方式で読めなくなる可能性は軽減した。仕事で必要なWindowsパソコンもあったがこちらもLinuxをデュアルインストールした。このころはMicrosoftが新興勢力のLinuxを目の敵にしていた。今やWindowsに入るLinuxやLinuxに入るAzureがあると聞く。隔世の感がある。

当時、パソコンとは単体で内向きにプログラムを走らせる箱だったが、ネットワークという外に広がる概念が登場し衝撃を受けた。モデム接続によるインターネットもさることながら、Apple talkという手持ちのパソコン同士でつなぐ通信手段に感動したものだった。さらに、LinuxではNFSという方法でリモートのパソコンのディレクトリをまるで自分のパソコン内にディレクトリがあるようなファイル構成ができることに驚いた。

Linux黎明期と現在

関わったLinuxのディストリビューションをうろ覚えだが思い出してみた。Yellow Linux(確かMacに使えた), Turbo Linux, Vine Linux, Redhat Linux, Fedora, KNOPPIX, PuppyLinuxなどが初期に試したものであった。あとカメレオンのSuseも結構使ってみた。 フランスのもあったが名前を失念。このころは、基本的な使い方とインストールを繰り返して楽しんでいた。つい最近、VineLinuxがSeedを除いて活動を停止するというニュースを拝見した。今は使っていないものの、初期の日本語活用時には大変お世話になりました。感謝の気持ちでいっぱいである。

現在の私のLinux環境はLinuxMintがメインである。Ubuntu派生で使いやすい。一方、Ubuntuも使っている。似たようなものだがややMintのほうがデザイン面で良い気がする。インストーラーはdeb一本だったが、最近はsnapだのappimageだのが出てきている。バージョン管理に戸惑わないのが良いがややごちゃまぜなのが実情だ。

現在の私のメインマシンとしてLinuxは十分である。多くのクラウド環境も全く問題なく使える。MicrosoftやAppleの庇護の元ではないのでOSのバージョンやメーカー仕様の変化ににうろたえることもないし、ビッグデータを知らぬところで収集されることもない。実際、ノートパソコンは古いLetsNoteS9 i3を現役で使っている。SSD250に換装しメモリを多めにはしたが、LinuxMint20で実用上全く問題がない。

先日、近所の家電量販店が開店セールをやっていたのでノートパソコンを探しにパソコン売り場を覗いてきた。正直、新しいパソコンはCPUも新世代でかっこいいが、LetsNoteS9ではできない試してみたい新機能というのが無い。かなり古いノートを使っているのに新しいパソコンにならないとできないことがあまりないことに衝撃を受けた。すでやりたいことに対してハードウエアの機能はほぼ天井圏で、むしろソフトウエアをいかに活用するかが今のパソコンの活用方法なのだと感じた。WindowsやMacでは新しい機種でないとOSが走らないので廃れてしまうのだろう。Linuxであれば多少遅くなるとしてもかなり古い機種でも最新のソフトを走らせることができる。

Linuxの欠点

ここで、Linuxのデメリットにも言及しておきたい。Linuxにも苦手な面はある。仕事場のネットワークプリンタDocuprintにプリントできない。やり方があるのだろうが今はできていない。印刷したいときはデータを移してWindowsのお世話になっている。特殊なツールはWindowsやMacでしか使えないものもあるので注意が必要だ。また、世間的な文書作成はMicrosoftOfficeが王道だ。Libreofficeが7.1ではかなりMicrosoftOfficeと互換性が高くなったとはいえやはりズレなどの問題は起こる。

もう一つのLinuxのデメリットは、自由度が高すぎるゆえに情報が散漫であることだ。Ubuntu関連の情報が多いが、できるはずのこともディストリビューションが変わるとできないとか、使い込むとインストールされているソフトのバージョンの不整合がおこりインストールできないことが起こる。前者に対しては、ネットワークの情報は玉石混交で散発的な情報が多く、まとまった知識になりにくい。よいまとめサイトもしくは本で読む、もしくは自分でまとめるしかない。また、後者のバージョンの整合に関してはAppimage, snap, flatpakなどのパッケージやDockerなどの新しい技術でバージョンを気にせず使える方法もある。それぞれ便利な方法がでてきていいのだが、インストール方法が多くあって若干混乱気味でもある。

おわりに

学生の頃に安くもないパソコンを買ってくれた親に改めて感謝の気持がふつふつと湧いてきた。今やLinuxで日本語環境を含めた実用的な使用ができることは当たり前で、様々な高機能ソフトをどのように活用していくかが求められている。プログラミング言語、統計、ビデオ編集、サーバー、IOT、AIへの活用などトライしていきたい。ディストリビューションとしては、やはりLinuxMintとUbuntuの二本柱でいこうと思う。一方で、RedhatLinuxが個人利用など利用制限の基でフリー化するという情報が入った。老舗のRedhatは押さえておきたい。こちらもチェックしておこう。

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